「個別最適な学び」とは??
「「個別最適な学び」ってどんなこと?」という問いから、理科の授業実践での定義を分かりやすく説明します。また、今まで行われてきた一斉授業との違いについても具体的に解説します。そして、授業実践をするための手だてについて、指導の個別化と学習の個性化に分けて、詳しく例示していきます。
「個別最適な学び」の定義は??
これは、「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~すべての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~令和3年1月26日中央教育審議会(答申)の中に、個別最適な学びと協働的な学びについて登場します。
中央教育審議会(答申)の概略です。
https://www.mext.go.jp/content/20210126-mxt_syoto02-000012321_1-4.pdf
このように、中央教育審議会では、個別最適な学びについて定義されています。
では、実際には、どのような内容なのでしょうか。
個別最適な学びとは、「個に応じた指導」(指導の個性化と学習の個性化)を学習者の視点から整理した概念です。どういうことかというと、
- 教師の視点
- 児童の視点
「教師の視点」では、「個に応じた指導」をすることです。
個に応じた指導とは、児童一人一人の能力を把握し、その児童にあった学習問題を見いだし、学習スタイルを設定し、教科にあった資質能力の育成を目指すことです。
一斉授業とは、何が違うのでしょうか。
一斉授業では、その授業や単元で、身に付ける内容を一斉に教えていきます。学級全体の問題や課題が同じものになります。学習する方法や考え方は、複数になる場合もありますが、大体は、一斉に同じような学習スタイルをとります。しかし、「個に応じた指導」の場合は、児童一人一人にあった学習問題を設定し、学習活動が展開していき、その活動中に適切な指導助言を行う学習スタイルになります。
個に応じた指導は、児童一人一人にあった学びを実現できる素晴らしい学び方です。しかし、言葉はよく聞くけど、具体的に、どんなことをすれば、個別最適な学びを実践できるのかわからないと思います。
そこで、理科学習で具体的に示すと・・・
児童がどこでつまずいているのかを把握し、その都度、適切な指導助言をし、理科の問題解決を自分自身でできるようになることです。
※理科の問題解決の流れは、問題➡予想➡観察・実験計画➡観察・実験結果➡考察➡結論➡一般化という流れになります。この問題解決の流れが児童一人一人に定着していないと個別最適な学びの実践は難しいです。一斉授業で、理科の問題解決の流れを教え、児童にしっかりと定着してから個別最適な学びに挑戦してみましょう。個別最適な学びの実践には、ある程度の理科学習の基礎的な力の育成が欠かせません。
「児童の視点」では、
理科の問題解決の流れを理解し、自分自身が見いだした問題を解決できること。その過程で、教師によって価値付けされた気付きを理解し、知識や技能として身につけることです。
児童にとっては、自分で見いだした問題を自分のやりたい観察や実験を行い問題を解決していくことができるので、学習意欲が向上します。個別最適な学びの授業は、児童の満足度は非常に高いです。
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